第10回実習(2021/06/05、13:30~16:00)の内容についてまとめます。
本記事や他の農業研修に関する一連の記事では、実習のだいたいの内容や聞き逃した説明などを確認することができるかと思います。また、それに関連した情報や考え方などについても書きたいと考えております。
もしも、間違い等あればご指摘をお願いいたします。
目次
追肥。なぜインゲンのみ化成肥料?⇒早く肥料を効かせたいため
個人管理野菜では、キュウリ以外が追肥になります。
計画では、キュウリも追肥する予定でしたが、先週追肥したため今週は行いません。
追肥の内容 ※()内は株数
・果菜配合(5-6-7)90g/畝
対象野菜:ナス(4)、トウガラシ(2)、ピーマン(2)、ミディトマト(2)、ミニトマト(2)
※果菜配合:ご当地オリジナルブレンドの肥料?(検索に引っかからない謎)
・NK化成2号 30g/畝
対象野菜:インゲン(4)
ここで、インゲンのみNK化成となっております。
NK化成は、窒素(N)と加里(カリウム、K)の肥料成分がそれぞれ16%と多く含まれた化学肥料になります。化学肥料は「化成(カセイ)」とも言います(化学合成の略?)。
今回、インゲンのみ化成を使いました。
これは、なぜでしょうか。
結論を言うと、肥料成分を早く効かせるためです。
果菜配合は、有機肥料で緩効性肥料になります。この「果菜配合」と呼ばれる肥料には下記のようなものが配合されております。
「果菜配合5-6-7」の配合原料(抜粋。重量割合の大きい順)
・植物油かす(なたね油かす及びその粉末)
・魚粉類(魚かす粉末)
・硫酸加里
・過リン酸石灰
・乾燥菌体肥料
などなど。以下省略。化成もあります。
果菜配合には化成も入っていますが、殆どは油かすや魚粉などの有機成分です。いわゆる微生物が作用(微生物が食べて分解)してから肥料が効いてくるものになります。微生物が分解するのに時間が掛かるため、じわじわとゆっくり効く緩効性の肥料になります。
これに対して、化成肥料は「窒素」「リン」「加里」などの肥料成分そのもの(無機成分。有機以外のもの)でできていますので、施用すれば直ぐに肥料成分が溶け出す速効性肥料になります(化成でもIBのようにゆっくり溶けるものもあります)。
インゲンは成長が早いため、肥料を早く効かせる必要があるそうです。このため、緩効性ではなく速効性肥料を使うそうです。
トマトの根は葉先以上に伸びていた
本研修でもそうですが、植物の根は、だいたい葉先くらいまで伸びていると説明されます。下の画像はマルチをめくったところです。
トマトの葉先は全然マルチ端には届いていませんが、根はマルチをめくったところまで来ています。
もう少し拡大すると・・・(下画像)。
葉先どころかマルチの端まで根が来ているとは・・・。
トマト恐るべし。
トウガラシ、ピーマンの本支柱立て(雪吊り風)
トウガラシ&ピーマンの枝は、花の咲く位置で二又に分かれます。つまり花が咲く度2のn乗で増えて行く計算になります。
もしも、10回花が咲いた場合、2の10乗、つまり1024個の実ができる事になります。しかし、実際はそこまで行ず、平均150個くらいで200は行かないと思います。7月いっぱいで栽培が終わるのもありますが、株の中心部分が混んでくるため、風通しが良くなるよう中心部の枝を外します。
病害虫防除
防除の内容については予め栽培計画の中に盛り込まれており、どのタイミングでどの薬剤を使うか決めてあるそうです。計画通り防除を進めながら、野菜達の状態を観察し、必要があれば追加で防除するそうです。
今回の防除は下記になります。トウガラシとピーマンは同じ畝にありますが、施用薬剤が異なるため散布に注意が必要でした。
病害虫防除①
対象野菜名:ピーマン、ナス、キュウリ
対象病害虫:
ハダニ類、オオタバコガ
うどんこ病、すすかび病
病害虫防除②
対象野菜名:ミディトマト、ミニトマト
対象病害虫:
アブラムシ類、オオタバコガ、オンシツコナジラミ
うどんこ病、灰色かび病
病害虫防除③
対象野菜名:トウガラシ
対象病害虫:
アブラムシ類、タバコガ
灰色かび病
病害虫防除④
対象野菜名:インゲン、エダマメ、ラッカセイ
対象病害虫:
カメムシ類、アブラムシ類
灰色かび病
今回の研修は以上になります。