定植前の作業(堆肥施用、土壌診断、土壌改良材、元肥、畝立て、マルチング)が終わりました。
次はいよいよ定植作業になります。
目次
苗を水につけ、根鉢に水を含ませる
水を入れたバケツを準備、植え付け直前にポットごと水につけます。
参考です。
私の場合、1時間程度苗をバケツに入れておき、水を十分吸収させます。
このとき、水が多すぎる(ポットが完全に水没する量)とポッドの表面の土が浮き上がり、流れでてしまうため注意して下さい。
マルチ穴開け、穴掘り
ホールカッターでマルチに穴を空けます。
ホールカッターにはいくつか種類があります。マルチの穴開けと土掘りができるものが良いかと思います。
使い方としては、歯をマルチに押し当てて、体重を乗せて目標深さまで押し込みます。
その状態でホールカッターの握り部分を親指で押し込む(握りをスライドさせる)とホールカッター先端が閉じ土を保持する事ができます。
あとは土ごと引き抜けばOKです。
土掘りができないタイプの場合は、
「移植ゴテ(コテ)」(小さいスコップ)を使って土を掻き出す方法があります。
この方法の場合、移植ゴテ2本を使うのが良いかと思います。
両手に1本ずつ移植ゴテを持ち、向かい合わせにして差し込んで穴を押し広げて周辺の土を固めます。不要な土があれば、そのまま挟んで取り出します。
こうすると、スコップで穴を掘って崩れる→崩れた土を取り除く→崩れた土を取り除く→するとまた崩れる・・・という無限ループを比較的短時間で抜け出すことできるかと思います。
植え穴に水入れ
植え穴を崩さないようにジョロ(如雨露)で水を入れます。
私の場合、定植前に小一時間吸水させ、定植後も水やりします。
こうするのであれば植え付け穴に事前に水を入れるという作業は省略しても良いかも、と勝手に考えています。ご参考まで。
※追記:植え穴への水入れ。根と土の密着性を高める効果あり
薬剤施用(必要に応じて)
資格を持っていないため詳しくは書きませんが、生育初期の害虫対策として薬剤を使用する場合があります。
害虫に野菜の成長点を食害されると残念ですがその苗はもうダメです。
そして、折角終わった定植作業をもう一度やり直す必要があります。
春夏野菜であればリカバリできそうですが、秋冬野菜になると生育が遅いため、特にダイコンのような直まきものは、やり直しても思うように育ちません(苗ものは予備があればOK)。
なお、薬剤を使用する場合は、必ず説明書通りの用法用量を守る必要があります。
詳しくは有資格者に相談して頂いた方が良いですが、下記のようなチェックすべき項目があります。
薬剤の主なチェック項目
- 適用作物(例えば、トマトとミニトマトは登録上別の野菜です)
- 適用害虫(アブラムシなど)
- 使用量(株当り、希釈など)
- 使用時期(定植時、収穫1日前までなど)
- 使用回数制限(1回とか3回とか)
- 使用方法(植穴土壌混和、散布など)
登録のないものは絶対に使用しないで下さい(ラベル等を良く確認して下さい)。
また、同じような野菜(トマトとミニトマト、ブロッコリと茎ブロッコリなど)でも別扱いになっているため注意してください。
定植。苗を植えます
植え付け深さは根鉢表面が多少でるくらいの深さで良いかと思います。
注意点としては、「接木苗」の場合、接合部(下図参照)に土が掛からないようにして下さい。
この部分は接木苗の最も弱い部分で、土が付くと病気に掛かる場合があるそうです。
傷口を清潔に保つのは野菜も人も同じです。
接合部については収穫が終わるまで気にするようにして下さい。
なお、写真のような接木用クリップはそのまま放置でOKだそうです。
自然に外れて分解され土になるそうです。
「あんどん」設置、生育初期の苗(幼苗)を守る
「あんどん」とは春先に畑を見ると時々見ることがあるかと思いますが四角い筒状のアレです。
生育初期の苗は風で倒れることがあるため守ってあげる必要があります。
また遅霜とまで行かないにしても低温(10度切るくらい)からも守ってあげる必要があります。
生育初期の苗を守る方法としてこれまで本研修では3パターンを習いました。
生育初期段階で苗を保護する手段
・添え木(寒さは防げない)
・スイカキャップ
・あんどん
今年度は「あんどん」で行うこととなりました。
設置作業は下記のようになります。
準備するもの
・イボ竹:4本/苗
・あんどん:1枚/苗(肥料袋使用。ハサミでスカート加工済み)
手順
1.イボ竹を2本刺す
2.イボ竹に「あんどん」を通す
3.残りのイボ竹2本を使い内側から「あんどん」を広げるように刺す
4.スカートを外側へ折り曲げ、風で飛ばないよう土を乗せる
このあと、風で飛ばないようスカートに土を乗せる
定植完了!
ようやく、トマト、ナス、キュウリ、ピーマン、トウガラシの定植が完了しました。
とりあえず1週間くらいはこの状態で毎日水やりします。
水やりは朝10時くらいまでが良いかと思います。
朝に灌水すれば気温の上昇と共に地温も上がっていき、夕方、そして夜になっても地温が下がりにくいそうです。
夕方灌水の場合、夜の地温が下がるため野菜にとってはあまりよくない(生育に差がでる)そうです。